Wednesday 29 July 2009

プロヴァンス小紀行(3) マルセイユと近郊の入り江巡り

プロヴァンスを旅行する上でお奨めしないことを2つほど。

まず、

今回、マルセイユとその近郊を友人の運転する車で移動していて気がついたことですが、相当運転に自信がある場合は別ですが、マルセイユの市内をレンタカーで移動するのは避けたほうがよさそうです。何しろ、土地の人たちの交通法規についての意識といえば、進路変更の際にウィンカーを点滅させるかどうかはオプションに過ぎないと豪語するほどのレベルなので...(実際、高速道路の走行中、それが決して誇張ではないことがすぐにわかりました。フランスの他の地域においても、13という番号(マルセイユの番号、まさに納得の行く番号です)付きのナンバー・プレートをつけた車が側に来たら要注意です。)

レンタカーを借りる場合は、Aix-en-Provenceのような比較的小さな地方都市で借りることをお奨めします。(Euorpcarなどで。)

モンプリエ(Montpellier)に向かう際に通った高速A55線マルティーグ(Martigues)付近。右側に広がるのは、ベル湖(Etang de Berre)。

次に、

これはフランスを旅行する上で、どこでも共通することですが、ICチップ付でないクレジットカードの携行はお奨めできません。必ずICチップ付のものを携行しましょう。(スイスなど、他の国でも断然便利です。)なぜなら、都市の公共交通であろうと、フランス国鉄だろうと、すべての交通機関の自動券売機において、それ以外のクレジットカードは受け付けられないからです。(自動券売機を使おうとすると、まず、そういった旨の注意書きが表示されます。使えないカードとして、特に、American Expressのカードは、固有名で表示されます。)このことは、また、日本国内において、voyages-sncf.comなどを使って列車の予約をする場合でも、頭に入れておくと良いでしょう。というのは、日本で予約をして、現地の最寄の駅の自動券売機で切符を受け取る場合も、受け取りの際に使えるのはICチップ付のクレジットカードのみだからです。そして、その場合、予約の際に情報を入力したカードと同一のカードであることが必要です。

さて、このマルセイユですが、ご存知のように、フランスを代表する港町のひとつで、紀元前600年ごろ、フェニキア人達が現在の旧港(Le Vieux-Port)のあたりに住み着いたのが、その起源とされています。今や、ユーロ・メディテラネ(Euroméditerranée)と名づけられた総合開発計画に基づき、新たな港湾施設や市内各所の整備が進められ、地中海を代表する港湾都市の名に恥じない姿に生まれ変わろうとしています。聞くと、日本から訪れる観光客は比較的少ないとのことでしたが、北アフリカやその他の、旧フランス植民地からの移民やその子孫が多く、彼らが持ち込んだ文化と地元の文化が融合しあった独特の異国情緒を味わうことができる町です。

ところで、マルセイユとパリとでは、どちらの面積が広いと思われますか。答えは、マルセイユなのです。(パリ市の10540 Ha、すなわち105.4 Km²に対し、マルセイユ市の面積は、なんとその2倍以上の24062 Ha、204.62 Km²!)

以下、マルセイユの市内と、入江巡りの船上にて撮影した写真を数枚アップします。今回参加した入江(Les Calanques)巡りは、船でマルセイユ近郊の12の入江を3時間半かけて巡るというもの。船は、旧港から出航します。


マルセイユの守護聖母教会(Basilique Notre-Dame-de-la-Garde)から見た海。

沖に見える、一番左の島の左辺りがサン・テグジュペリが操縦する偵察機が墜落した地点だそうです。数年前、そこで発見された残骸が、彼の搭乗機のものであることが確認された後、撃墜したと思われる元ドイツ空軍パイロットへのインタビューがニュースで紹介され、その際、この元パイロットは、「もし、彼が乗っていることがわかっていたら、撃墜しなかっただろう...」と語ったそうですが、戦時下だった当時のこと、もちろんそんなことは不可能だったでしょう。

会堂の中には、遭遇した海難から救われた善男善女から、お礼として奉納された、彼らが実際に乗っていた船や飛行機の模型が吊り下げられていました。


旧港(le Vieux-Port)から見た守護聖母教会。画面の左側、丘の上に建っているのが見えます。


第7区の海岸沿いに住んでおられる、友人の知り合いのお宅に夕食に招かれたときに、近くで撮影したもの。左下から上に続く階段を昇りきった左奥がそのお宅。海を見下ろすテラスで黄昏行く空を眺めながら食事をするなど生れて初めての経験。食後は、皆で近くを散策。オレンジ色の照明に照らされた小路の雰囲気が印象に残りました。

じく、第7区にあるヴァロン・デ・ゾッフ(Vallon des Auffes)という入り江(漁港)。左端に見える窓のある建物が、シェ・フォンフォン(ブイヤベースで有名なレストラン)


入り江巡りに出かける日、港で見かけた漁犬(?)。さすがに魚が好物のようで、このあとご主人から与えられた魚に早速舌鼓


入り江巡りの最後に訪れたカシス(Cassis)の入り江。


同上

1 comment:

  1. メールありがとうございました、明日(30日)出発です。

    それにしても綺麗な写真ですね。今回ぼくは南仏には行きませんが、スペインとイタリアの港町を回る予定です。しかもレンタカーで!こりゃあ気をつけねばなりませんね。港町の人は気が荒いって相場が決まっておりますから。

    というわけで行って参ります。そうそう、マルセイユの起源はギリシア系だと思います。些末なことですが(笑

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