Wednesday 29 July 2009

プロヴァンス小紀行(2) ブイヤベースのこと

もともと今回の小旅行の目的は、大学時代のルームメートを訪ねるというものだったため、せいぜい数日程度当地に留まるつもりだったのですが、折角26年振りに会うのだからと先方から言われ、結局彼の家で1週間過ごすことになってしまいました。「長崎といえばちゃんぽん」程度の知識しか、マルセイユについても持ち合わせていなかった私のわずかな関心の対象といえば、当然そのブイヤベースくらいなもので、先月25日、リヨンから乗ったTGVでマルセイユのサン・シャルル駅に夕刻到着し、それまで滞在していた天候不順のスイスの涼しさが恋しくなるほど容赦なく照りつける太陽の下にいきなり降り立ったときは、率直な感想として、「やれやれ、こんな暑いところで1週間も過ごすのか」とため息まじりに心の中でつぶやいたものでしたが、このブイヤベースが思いがけなく最高の思い出のひとつとなりました。

本物のブイヤベースが味わえると、長く当地に暮らしている、友人の知り合いの方から教えていただいたのは、シェ・フォンフォン(Chez Fonfon)というお店でしたが、結局私たちが訪れたのは、マルセイユの東南端、第8区に位置するレ・グード(Les Goudes)という小さな漁港にあるレストラン、レスプライ・デゥ・グラン・バー・デ・グード(l'Esplaï du Grand Bar des Gourdes - なんだか、お経のように聞こえる長い名前のお店です)。オーナーは、生れも育ちもこちらという生粋のグードっ子で、魚や料理法についての知識はもちろん豊富。ブイヤベースについて詳しく、しかもとても親切に教えてくれました。(ご興味がある方は、お店のサイトをご覧ください。)

このお店、実は、マルセイユ近郊の入り江めぐりの船に乗った際に、船員さんから教えていただいたお店で、なんでもオーナーはその方のご友人とのこと。

上述したシェ・フォンフォンもそうですが、とにかく、その日の獲りたての魚が船から直接厨房に上げられ、料理されるということなので、新鮮さは請け合いです。そして、もちろん出される料理の味のほうも。ただ、魚の種類によっては、肉などと同様に少し熟成させたほうがいいものもあるとのこと。初めて知りました。

個人のブログでお店について紹介してもいいですかと尋ねると、「もちろん、よろこんで」ということだったので、以下がお店のサイトのURL及び連絡先です。

www.grandbardesgoudes.com

29, av. Désiré-Pellaprat, les Goudes, 13008 Marseille

04 91 73 43 69

夏の期間は、1週間から10日前までの予約がお奨め(海側の席を確保するため)だそうですが、オーナーによると、10月なども良いですよとのことでした。

なお、日本のフランス語仲間のTさん(フランスでの勤務経験を持ち、相当なフランス通で特にワインに詳しい)によると、ブイヤベースには、ロゼ・ワインが合うそうです。プロヴァンスのロゼでしょうか。そういえば、近くのテーブルに着いていた年配のご夫婦が、やはりロゼ・ワインを味わっておられました。


レ・グードの町の様子、右側が海(港)。レストラン レスプライは、右側の奥の建物の並びです。


レスプライ店内


スープが終わり、切り分けられ、皿に盛り付けされる前の具材


店の左にある船着場

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