教育勅語は,天皇の直接統帥権を確立し日本を北朝鮮のような先軍国家にした山口県出身の卑劣きわまりない男,この国を幕末の長州藩のような極めて非近代的な絶対主義的封建国家の設立の中心人物山県有朋が,竹橋事件の発生を受け,その後に発布させた軍人勅諭の子供版です.そのため,もし子供達に教育勅語を暗唱させるのであれば,彼らが徴兵年齢に達した場合,軍人勅諭も暗唱させるとよいと思います.こうした教育を受けた子供たちのうち,どの程度の人数が防衛大学校に入学したり,自衛隊に入隊するのか興味があります.
こうした教育を施す学校についての報道を聞くと,思い出されるのは敗戦後の日本の再建のために役立つ人材の育成を目指した兵学校校長時代の井上成美提督の徹底してリベラルアーツを重要視する教育方針,また,キスカ撤収作戦を成功させ,戦時国際法を遵守し,その人道主義でアメリカ軍にまで知られていた木村昌福中将が敗戦まで校長を勤められた防府の海兵分校と通信学校で敗戦後に郷里に戻る生徒たちに伝えた「歴史を勉強しなさい」との言葉です.
なお,余談ですが,上記の将官のいずれにも共通するのが,出身地が幕末の内戦において賊軍と呼ばれた敗軍の地元であるということです.井上提督は奥羽越列藩同盟の盟主だった仙台藩出身,そして,木村中将の家は鳥取藩士の養子でしたが,本人は徳川家と家臣団の移封地の静岡で生まれて育ちました.
さて,国を愛することは正しいことです.でも,それが子供たちの内側から自然に湧き出てこなければ何の意味もないし,最終的には国のためにもなりません.一人の人間が命を投げ捨てるほどの価値を自らの行動に見出すためには,その行動が何らかの普遍的な正義,あるいは真理に基づいている必要があります. そんなことを考えると,失った祖国と自由を取り戻すために遥かイタリアに赴き連合軍の半島上陸の突破口を開いたモンテカシノ要塞攻略作戦で命を落としたポーランド軍兵士たちの勇猛果敢な活躍を思い出します.ポーランド映画『灰とダイヤモンド』を観て知った『モンテカシノの赤いポピー』は好きな曲のひとつですが,軍歌であるにせよ,今でもポーランドでは広く歌われ親しまれている曲です.ボーイスカウトでも戦死者の慰霊集会などで子供達が合唱し,国内最古ヤギェウォ大学の大学の合唱団も歌います.
ポーランドは,大好きなSF作家のスタニスラフ・レムを生み出した国であり,ユダヤ人の子供たちと運命を共にしたコルチャック博士,そして,日本で自らの命を捨てて遭難した隣人を救ったコルベ神父,そてし,上述した作品以外にも数々の名作を世に送り出したアンジェイ・ワイダ監督たちの祖国でもあります. 空爆で街の大半が破壊されたワルシャワもグダンスクも,過去の写真や図面を基に破壊される前の街並みが復元され,そうした国民の姿勢からも真の意味で国を愛するとはどういうことかを学ぶことができる国です.(なによりも,人々が言葉も判らない私のような異国人にもとても親切にしてくれるので,それも魅力です.)
こうした教育を施す学校についての報道を聞くと,思い出されるのは敗戦後の日本の再建のために役立つ人材の育成を目指した兵学校校長時代の井上成美提督の徹底してリベラルアーツを重要視する教育方針,また,キスカ撤収作戦を成功させ,戦時国際法を遵守し,その人道主義でアメリカ軍にまで知られていた木村昌福中将が敗戦まで校長を勤められた防府の海兵分校と通信学校で敗戦後に郷里に戻る生徒たちに伝えた「歴史を勉強しなさい」との言葉です.
なお,余談ですが,上記の将官のいずれにも共通するのが,出身地が幕末の内戦において賊軍と呼ばれた敗軍の地元であるということです.井上提督は奥羽越列藩同盟の盟主だった仙台藩出身,そして,木村中将の家は鳥取藩士の養子でしたが,本人は徳川家と家臣団の移封地の静岡で生まれて育ちました.
さて,国を愛することは正しいことです.でも,それが子供たちの内側から自然に湧き出てこなければ何の意味もないし,最終的には国のためにもなりません.一人の人間が命を投げ捨てるほどの価値を自らの行動に見出すためには,その行動が何らかの普遍的な正義,あるいは真理に基づいている必要があります. そんなことを考えると,失った祖国と自由を取り戻すために遥かイタリアに赴き連合軍の半島上陸の突破口を開いたモンテカシノ要塞攻略作戦で命を落としたポーランド軍兵士たちの勇猛果敢な活躍を思い出します.ポーランド映画『灰とダイヤモンド』を観て知った『モンテカシノの赤いポピー』は好きな曲のひとつですが,軍歌であるにせよ,今でもポーランドでは広く歌われ親しまれている曲です.ボーイスカウトでも戦死者の慰霊集会などで子供達が合唱し,国内最古ヤギェウォ大学の大学の合唱団も歌います.
ポーランドは,大好きなSF作家のスタニスラフ・レムを生み出した国であり,ユダヤ人の子供たちと運命を共にしたコルチャック博士,そして,日本で自らの命を捨てて遭難した隣人を救ったコルベ神父,そてし,上述した作品以外にも数々の名作を世に送り出したアンジェイ・ワイダ監督たちの祖国でもあります. 空爆で街の大半が破壊されたワルシャワもグダンスクも,過去の写真や図面を基に破壊される前の街並みが復元され,そうした国民の姿勢からも真の意味で国を愛するとはどういうことかを学ぶことができる国です.(なによりも,人々が言葉も判らない私のような異国人にもとても親切にしてくれるので,それも魅力です.)
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