ダイヤグラムは,日本のどの路線にも見られない程,超過密.また,乗務員の制服も2008年に導入されたものに替わって新しいものに.(記事内写真参照)
私個人に関することで言うなら,スイスでも特に好きなイタリア語圏に行き易くなるかとも思いましたが,早くなったからと言っても何も真っ暗闇の中を通って旅行することもないやと思い直し,いつか,また機会があったら,これまでどおり郵便バスを使って訪れたいと思います.
|
スイスの'寝覚の床',ラヴェルテッツォ.あるのは教会くらいで他には何にもありません.でも,こういう吉幾三さんの『おら,東京さ行くだ』のモデルになりそうな村が好きです.バスも最寄り駅との間に一日,数本ある程度.バスの発車時刻まで体を温めようと,唯一開いていたレストランでコーヒーを注文.甘いものも欲しくなり,「何か,甘味はありませんか?」と女性店員(ほぼ間違いなく経営者の家族)に訊くと,「アイスクリームくらいならお出し出来ますが」と言われ,「じゃ,いいです.」と言ってことわりました.(心の中のつぶやき: この寒いのにアイスクリームなんか喰う酔狂なやつがいるのかよ.変わった村だな.ティラミスくらいおいてったって別にばちはあたらないだろうに).唯一の例外と言うと下の写真に写っているルガノ.お金持ちらが集うリゾート地でもあるので,(フランスならコートダジュールのように)普通なら全く魅力を感じないのですが,ここだけは別です.理由は自分でもよく判りません. |
寝覚めの床で思い出したのは,まだ,中央西線に蒸気機関車(D51)が走っていた頃,友人と撮影に出かけたおり,ある駅で乗った列車の発車の際,ホームでそれを見送る駅員さんが直立不動で「次は奈良井ぃー」と肉声でアナウンスしていたのを思い出します.自分の内にある鉄道員に対する憧憬をさらにふくらませたワンシーンでした.
|
ルガノの夜景 駅から湖を望む.以前,冬に訪れたとき,観光シーズンでなかったせいか,驚いたことに観光案内所の担当者は,殆ど英語が話せませんでした.(ドイツ語は普通に話せました.) 駅の案内所では,もちろん英語で対応してくれました. |
|
5年前に訪れたルガノ近郊の山村ジョルニコ村の夕暮れ.ここも教会を除けば何にもない村でしたが,たしか,昔の鉄道変電所のようなものが産業遺産として残っていたと思います.詳しいことが書かれた看板が立っていたのですが,バスの発車時刻が近づいていたので,読むことができませんでした.ところで,この写真を載せていたところ,何と,この村を紹介する日本語で書かれたページがあることを知りました.感激したので,ご紹介します.こちらからどうぞ.今,この村を訪れたときのことを思い出しましたが,スイスのイタリア語圏の魅力は,やはり,そこに暮らす人々の温かさにあるのではないかと思います.ジョルニコの教会を訪れようと駅からバスに乗ったとき,観光案内所でもらったパンフレットを運転手さんに見せて「この教会を訪れたいのですが...」と訊ねると「もちろん知ってますよ.」と自分に任せておけば間違いないから安心しておのんなさいと言った素振り.そして,降りるべきバス停に着くと,わざわざ行き方迄丁寧に教えてくれました.また,途中の車内でも,席が空いたとき,中年の御婦人が「シニョール,そこの席が空いたからおかけなさいな.」と声をかけてくれました.今回のラベルテッツォへの小さな旅でも,最寄り駅のバス停で,どのバスに乗ればよいのかバス停の時刻表とにらめっこをしている間,ベンチに腰掛けていた御婦人がしきりに心配そうに私のほうをちらちらみていました.声をかけてあげようか迷っておられる風情でした.結局,何が何だかさっぱり判らず自分の限界を感じ,そのご婦人に「ペルファボーレ,シニョーラ.ここへ参りたいのですが,このバス停でよろしいのでしょうか.」と訊ねると,待っていましたとばかり「ええ,このバス停で間違いありませんよ.ほどなくバスも来ますから(安心して待っているといいですよ).」とのご教示.「カピート.モルト グラーチエ.シニョーラ」(イタリア語はフランス語に似ているし,また,学生時代,ベリンツォーナにあるクラスメイトの実家で夏休みを過ごしたり,ナポリ近郊の彼の奥さんの家で暫く厄介になったりしたことなどもあり,ある程度は判ります.) こうした経験は,他の場所を訪れたときにも多々あるのですが(たいていの場合,街中で他人の目をはばかることなく地図を大きく広げているときや,街角の地図表示とにらめっこしているときなど,ドイツであろうとフランスであろうと,まず,間違いなく声をかけられます.よほど困っているように見えるようです.),ここティチノでは,どこか違うものがあるように思うのです.もちろん,旅先で地元の方からお受けするご親切は,どこであれ,異国の者として誠に有り難い限りですが. |
No comments:
Post a Comment