Sunday 29 July 2018

石巻市内鎮座神社の津波被災状況

最初に,石巻市立大川小学校の亡くなられた児童,そしてご遺族の皆様に衷心より哀悼の意を述べさせていただきます.

すでに,このブログ内で紹介した『2011年3月東日本太平洋岸大津波と神社』と言う論文の調査対象となった被災各地の神社の内,石巻市内に鎮座する神社をGoogle のマイマップにプロットしてみました.同論文では,被災状況を重度,中度,軽度の三種類に分類し,それぞれを以下のように定義していますが,作成した地図上では重度を赤,中度をオレンジ,軽度をブルーの鳥居で表しました.
  • 重度 - 社殿 (本殿・幣殿・拝殿)に津波被害を受けた神社 (社殿の床上浸水も含める.一方,社殿の床下浸水は中度とした.)
  • 中度 - 社務所・手水舎・神輿庫・鳥居・狛犬に津波を被害を受けた神社
  • 軽度 - その他(燈籠・境内社・参道等)に津波被害を受けた神社



なお,上掲論文によると,石巻市市内の神社の地震津波被害概況は以下のとおりです.
石巻市の全神社数は142社であり,今回の地震被害を受けた神社は106社,うち津波被害を受けた神社は27社である.このうち重度は12社,中度は11社,軽度は4社である.
そして,下は国土地理院の大川地区の浸水範囲概況図に,同地区に鎮座する神社のうち津波被害を受けたものをプロットしたものです.(神社名の前の数字は,上掲論文のリストにおいて付された番号.) オレンジのマークで表示された神社は,鳥居の流失程度で済んだようですが,津波遡上限界ラインのごく近くに位置していることが判ります.中には,愛宕神社のように,津波が押し寄せた地域内にも拘わらず軽度の被害しか受けなかった神社もあります.(南三陸町の五十鈴神社と同様のケース.)
そして,最後に,ご遺族のご心中をお察しし,ためらわれたものの,敢えて大川小学校が位置する大川地区のハザードマップで,震災前に宮城県が公開していたものを掲載いたします.

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