最後まで防災無線を使って避難を呼びかけられた遠藤さんや同僚の自治体職員や住民の方々の命を奪った津波でしたが,ふと気になって南三陸町所在の神社の被害状況を知りたいと思い,資料を探したところ,「2011年3月東日本太平洋岸大津波と神社」(『水利科学』No.332 2013と言う論文がウェブ上に公開されているのを知り,それに以下の記述を見つけました.
南三陸町,松島町,利府町,塩竃市,多賀城市,七ヶ浜町では津波による社殿の被害は見られない。中でも,松島町,利府町,塩竃市では神社での津波被害は受けなかった。松島町,利府町,塩竃市は多くの島々がある松島湾に面している。津波のエネルギーが島々によって弱められ,海岸に達した津波高が低かったことが重要な要因だろう。(p184)Googleで,'南三陸町 神社'というキーワードで検索すると,湾岸に位置するものが少なくありません.国土地理院の浸水範囲概況図と照らし合わせてみると,中には五十鈴神社のように,完全に浸水範囲内に位置しているものもあります.しかし,この神社も地域住民の避難場所となり,彼らの命を救ったのでした.
No comments:
Post a Comment