- やれやれ,参ったなあ! Y Vey ist mir (イ・ヴェイシュミール) 恐らく,ドイツ語の Weh ist mirから?
- それは何より.重畳.ありがたや! Mazel tov (マーゼルトフ)
下は,映画の中でドイツ人将校になりすますためにドイツ語を練習するモルデハイ(材木屋の親父)と先生役のイスラエル(スイス在住の有名な作家でラビの奥さんの従兄弟)の会話.ドイツ語の"freundschaftliche Beziehung"の発音がうまくできないことをモルデハイがイスラエルにうったえます.
モルデハイ「だめだ.発音できない.なんでこんなにむずかしいんだ.でも,イーディシュ語とよく似てるな.おれは全部分かる.」
イスラエル「モルデハイ,ドイツ語は硬い言葉なんだ.そして,正確で悲しい言葉だ.イーディシュはドイツ語のパロディーなんだ.それには,さらにユーモアが入っている.完璧にドイツ語を話し,イーディシュの発音をなくすために必要なのは,イーディシュからユーモアをなくすこと.ただ,それだけのことだ.」
余談ですが,映画で使われているクレズマー音楽に最初に出会ったのは,今を去ること約26年前,モスクワ国際空港のCDショップで流れていた音楽に魅了され,店員さんに教えてもらって購入したCDを通してのこと.それが,最近になって知ったこのトラジコメディーの名作(音楽はGoran Bregovic)を通じて再び出会うとは不思議な偶然と感じています.
そして,最近,特に好きになった曲は,"My Yiddishe Momme"ですが,"Bashana Habaa"もイーディシュバージョンを初めて聴き,ヘブル語と歌われるときとは別の魅力を知りました.なお,この映画の中で,シュロムが発案した偽輸送列車作戦の決行が村会で議決されたのち,その準備にいそしむ村人たちの様子が映し出されるシーンのバックに流れていた曲は,"The Rabbi Ordered to be Happy" ("Tanz Tanz Yidelekh")です.
クレズマー音楽に私たち日本人が魅力を覚えるのは,恐らく,人生の喜びと悲しみを同時に表現しているからではないかと思います.前者はクラリネットで,後者はバイオリンで主に表現されているように感じます.あるいはまた,どことなくチンドン屋さんの音楽にも似ているところがあるからかもしれません.
"Le Train de Vie"については,こちらのポストで紹介しています.
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