Saturday 17 January 2015

阪神淡路大震災発生後20年に思い出したこと

大震災の発生後ほどなくして用事ができたため,関西学院大学を訪ねたことがありました.そこで,昼食をご一緒させていただいた事務長さんから震災によって亡くなられた学生さんたちに関するお話を伺った事がありますが,今,思い出しても胸が締め付けられる思いです.

それと同時に思い出したのが,別冊歴史読本の『日本古代史[神話・伝説]の最前線(東京,新人物往来社, 1996年)所収の立命館大学の高橋学教授が寄稿された「土地の履歴からみた阪神淡路大震災」というエッセイ(pp370ff)でした.阪神淡路大震災,そして2011年の東日本大震災から私たちが得た大切な教訓のひとつですが,あらためて以下にその最後の段落を引用させていただきます.
地震を予知し発生を防ぐことは今のところ困難である.しかしながら,住んでいる土地の履歴や性格を知ることで,震災を小さくすることは不可能ではない.今,神戸では震災前の町並みを取り戻そうとする市民運動が盛んに行われている.しかし,土地条件の良くない場所に元の町並みを 復元すれば,地震に対する危険性までも元に戻すことになりかねない.数十年以内には南海地震が起こる可能性が高い.今回,復興する街は,この地震に遭遇しても被害を出さない街でなければならない.
「災害は忘れた頃にやってくる」のではない.土地の履歴を無視した土地利用が災害を大きくするのである.
(p377)

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