毎年,4月30日から5月1日の夜*1) ,魔女たちが集うと言われるブロッケン山は,北ドイツの最高峰.この山を含むハルツの山岳地帯は登山者のみならず,鉄道マニアのメッカでもあります.以下,近郊のものも含めて,主な保存鉄道や関連施設をご紹介します.
- シュタスフルト鉄道博物館(鉄道友の会が運営.転車台を中心にした扇形機関庫に41形などの貨物用機関車が動態保存されており,それらが牽引するイベント列車も運行されます.)
- ゼルケタール鉄道(ユネスコ世界遺産のQuedlinburg - Eisfelder Talmühle間.途中のStiegeから盲腸線がHasselfeldeまで伸びています.機関車は,狭軌用の可愛らしいタンク機の99 5906(1918年製造)と99 6001(1939年製造)という,かなり年が離れた姉妹.)
- ハルツクエール鉄道(Wernigerode - Nordhausen間の60km.ハルツの変化に富んだ風景を存分に楽しませてくれます.)
- ブロッケン鉄道(ハルツの保存鉄道の中で最も有名な路線.標高543mに位置するDrei Annen Hohneから1,142mのブロッン山の頂上迄,99 723(1'E1' h2t)などのたくましいマシンが粘着力だけで列車を牽引しています.1896年に開業したこの路線は,大戦後,ソビエトの占領下にあったこの地域にソ連軍兵士や物資を移動するためにも利用されました.)
- リューベランド鉄道(こちらは標準軌.5月から10月の間,95 027(1'E1' h2)が牽引する列車がBlankenburug - Rübeland間に運行されます.)
なお,以上の各路線が一目で判る路線図が,ゼルケタール鉄道のサイトに掲載されています. →Übersichtskarte zum Streckennetz(左側のナビゲーションバーのStrecke → Karte Streckennetzをクリックしてください.)
軽快なブラスト音を聞きながらハルツの美しい山並みや世界遺産の町並みを楽しんだ後,もし時間が許すなら,締めとして,少し足を伸ばしてHalleのDB鉄道博物館の見学は如何でしょうか.さらに,動態保存のSLが所蔵されている博物館がお目当てならば,さらにザクセンまで足を伸ばされるのも一興です.特にお薦めしたいのは,ドレスデン鉄道博物館ですが,3両の52形初め多くの機関車や客車が保存されているライプチヒ鉄道博物館も一見の価値がある施設です.(ところで,ライプチヒの駅構内の本屋さんの鉄道コーナーは面積も広く,所狭しと居並ぶ鉄道関連書籍の数には圧倒されます.)
Allzeit gute Reise!
(以下は,近郊のゴスラーで撮影した写真.世界遺産に指定された鉱山跡ではガイド付きで坑内の見学が出来ます.)
*1) 5月1日で思い出されたのは,ブラム・ストーカーの名作『ドラキュラ』の冒頭,主人公の法律家ジョナサン・ハーカーが,ドラキュラ伯爵の居城へ赴く前日に投宿したGolden Krone Hotelでの一場面. 翌日の朝,宿の老婦人から,その日は聖ジョージの日の前日(the eve of St. George's Day)であり,深夜の午前零時の鐘が鳴ると同時に世界中の魔性が自由に活動するので出発は見合わせた方が良いと説得されていましたが,確認したら,彼が出発しようとしていたのは,5月4日でした.つまり,聖ジョージの日は5月5日だったのですね.(時差を無視すれば,)日本では子供の日の午前零時が恐ろしい逢魔が時ということになります.(cf. Bram Stoker "DRACULA"(A Longman Cultural Edition edited by Andrew Elfenbein), Boston, New York et al., 2011, Longman, pp8f)
(以下は,近郊のゴスラーで撮影した写真.世界遺産に指定された鉱山跡ではガイド付きで坑内の見学が出来ます.)
*1) 5月1日で思い出されたのは,ブラム・ストーカーの名作『ドラキュラ』の冒頭,主人公の法律家ジョナサン・ハーカーが,ドラキュラ伯爵の居城へ赴く前日に投宿したGolden Krone Hotelでの一場面. 翌日の朝,宿の老婦人から,その日は聖ジョージの日の前日(the eve of St. George's Day)であり,深夜の午前零時の鐘が鳴ると同時に世界中の魔性が自由に活動するので出発は見合わせた方が良いと説得されていましたが,確認したら,彼が出発しようとしていたのは,5月4日でした.つまり,聖ジョージの日は5月5日だったのですね.(時差を無視すれば,)日本では子供の日の午前零時が恐ろしい逢魔が時ということになります.(cf. Bram Stoker "DRACULA"(A Longman Cultural Edition edited by Andrew Elfenbein), Boston, New York et al., 2011, Longman, pp8f)
No comments:
Post a Comment