Sunday, 7 April 2013

70歳の誕生日を迎えた《星の王子様》

2013年4月6日は,1943年の同日に世界で最初に『星の王子様』が出版されてから丁度70年目にあたります.出版されたのは,当時,作者サンテグジュペリが暮らしていたニューヨーク.これまで,日本も含め200を超える言語に翻訳され,世界のベストセラーのうちの一冊です.

多くのファンを持つこの作品の魅力はどこにあるのか,それに対する答えは読者の数だけあるでしょう.ただ,作品の献辞には以下のように書かれています.
«A Léon Werth quand il était petit garçon»
だれもが,無限の可能性を宿していた子供時代.実は,そのときの可能性は大人になってからも存在し続けている,それを忘れないで欲しい.彼のこの言葉を読むと,そんなふうに理解する事もできそうです.そして,それが,決して子供時代への退行や逃避を促すものではなく,新しい世界を開拓する人間の無限の可能性を確信させるものであることは,彼の生涯を見ても明らかであるように思うのです.(本ブログ上の関連ポスト

(2013年4月5日付SRFのニュースサイトに掲載された記事"«Der Kleine Prinz» wird 70: Ein Liebes-Erklärungsversuch"より.)

以上の記事を読んで,先日ご紹介したドイツ連邦議会の議長によって引用されたカミュの言葉を思い出しました.
"L'homme n'est rien en lui-même. Il n'est qu'une chance infinie. Mais il est le responsable infini de cette chance."
「 人間は,それ自体,無に等しい存在だ.彼は,単に無限の可能性でしかないのだ.しかし,彼はこの幸運に対する無限の責任を負っているのだ.」
サンテグジュペリの生涯と作品を紹介しているサイトへのアクセスはこちらからどうぞ.

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