Saturday, 23 December 2017

柳田國男翁の『先祖の話』と日本の宇宙飛行士崇拝

日本人の死生観において死者の霊は,山へ昇り,そこで祖霊に融合して氏神(コミュニティの守護神)となります.高い位置に居る人は,生きていても崇拝の対象となります.日本では宇宙開発の費用対効果などへの疑問についての報道はタブーです.彼らは生き神様だからです.自然宗教しか知らない日本人にとって,神と人の絶対的区別はユダヤ教などの啓示宗教と異なり存在していません.そのうち,宇宙飛行士神社もできるでしょう.

また,天皇を名目上その中心に据えた明治政権がその権威に絶対性を与えるために掲げた天孫降臨神話は,冒頭に述べた死者の霊が山へ昇り守護神となるのと逆のベクトルに従ったものです.つまり,天皇は天から降り降った神の子孫だから崇拝の対象となるのであり,そのために命を捧げることが要求されたわけです.(背景にあるものは古代インカなどの人身御供の習慣の背景にある信仰と同じです.)  なお,古来,日本では宗教や哲学が支配者の権威を守るためにしか用いられなかったのは,この国の特徴のひとつでもあります.

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