Tuesday, 13 January 2015

ドイツの反イスラム運動"Pegida" - 行進の参加者が叫ぶナチス語

日本語に訳せば,「非国民」,「国賊」,あるいは「売国奴」などに対応する言葉でドイツ語では"Volksverräter".直訳すれば「国民/国を裏切る者」です.また,"Lügenpresse"(虚偽報道をするもの),"Überfremdung"(過度の非ドイツ化)といった言葉も聞かれます."Volksverräter"は,ナチスの法律の中で用いられていた"Volksverrat"(国家反逆=処罰の対象)を人を表す言葉にしたものです.Pegidaのデモ行進の参加者の中には,この言葉を政治家,特に,先日の新年の演説で明確に反Pegidaの姿勢を示したメルケル首相に向けて発する人もいます.また,"Lügenpresse"については,最初にこの言葉を使ったのはナチスではなく,すでに20世紀の初めにドイツ語の単語として存在していました.しかし,後になってナチスによって頻繁に使われてた言葉です.例えば,ナチス党の広報を担当し,後に第三帝国の宣伝相となったジョゼフ・ゲッペルスは1932年の演説の中で,"roten"(左翼)を国家社会主義を中傷するために虚偽報道をするもの("Lügenpresse")として非難しています.そして,"Überfremdung"という言葉は,1929年にDudenの辞書に掲載されていましたが,数年後,やはりゲッペルスによって使われました.こうした言葉を参加者が叫ぶのは,運動にとって利益とはならないとして主催者は静かに行進するように呼びかけていますが,参加者たちは,その呼びかけを無視して,これらのナチス語を叫び続けています.

なお,1月12付のNZZの記事Mohammed-Karikaturen nun doch erlaubtによると,ライプチヒの治安当局は,同市で行われるPegidaの行進においてモハメッドの風刺画を掲げることを禁止しましたが,ドイツのジャーナリストの団体(Deutsche Jounalisten-Verband)からの思想,信条の自由に反するとの批判を受け,禁止命令を撤回しました.

以上,SPIEGELのPegida-Kampfbegriffe: Vokabular wie bei Goebbelsからでした.(同サイトの関連記事: Pegida-Demo nach Terror in Frankreich: "Schlimm, das in Paris, aber ...", Merkel gegen Pegida und Islam-Hasser: Glückwunsch! Endlich Klartext;スイスのNZZの関連記事:Mohammed-Karikaturen nun doch erlaubt,DWのLeipzig lifts PEGIDA Charlie Hebdo caricature ban

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