Tuesday, 13 January 2015

Patriot Act à la française?

2001年9月11日にニューヨークで発生したテロ事件を受けて当時のG. W. ブッシュ大統領によって提案された法律ですが,これにより合衆国憲法に謳われている国民の基本的な権利の一部が制限され,FBI,CIA,NSAの情報収集活動の範囲が拡大されました.ただ,運用において問題がないわけではありません.例えば,この法律に基づいてFBIが発行したNational Security Letter(NSL, 情報開示令状とでも言うのでしょうか.)の数はAmerican Civil Liberties Unionの調査いよると2003年から2006年の間に200,000以上.令状の発行自体にはもちろん問題はないですが,問題は,その目的です.Electronic Frontier Fondationの調査結果によると,2013年に提示されたPatiriot Actに基づいて発行されたNSLは,11,129通ですが,本来の目的であるテロ対策に関する情報収集を目的としていたものは,そのうちわずか51通のみで,残りの殆ど(9,401)は,麻薬の密売に関するものでした. フランスでも,先週の連続テロ事件を受けて,同様の法律を制定する必要があるという声が上がっていますが,すでに昨年の11月に制定されたテロ防止法により治安当局の情報収集活動の範囲はかなり拡大されており,当該法について民主主義を損なうものという議論も起こっています.

以上,Le MondeのLe Patriot Act, une législation d'exception au bilan très mitigéからでした.(L'EXPRESSの関連記事)ヨーロッパ各国のテロ対策の現状については,SPIEGELのインタラクティブリポートをご覧下さい.

No comments:

Post a Comment