Monday 19 January 2015

テロ計画発覚で警戒が強まるベルギー

ベルギーで未遂に終わったテロの首謀者と言われるシリアISの重要人物Abdelhamid Abaaoud容疑者(下の映像)は,現在,ギリシャに潜伏中とされていて,警官隊により射殺されたRadwan HaqawiおよびTareq Jadoun容疑者に当該計画の指示を与えたとベルギーのニュースメディアは伝えています.(警察からはノーコメント.)2人の容疑者は,最近シリアからベルギーに戻り,今回のテロの実行を計画していたようです.


ベルギーの司法当局は,先週,土曜日にアテネで身柄を確保された2人の容疑者のうち1人がベルギーのジハジストグループに関わっている可能性が高く,ギリシャ政府に対し,当該者の身柄引き渡しを求める十分な根拠があるとしています.

現在,ベルギーの首都ブリュッセルやアントワープなどにおいて厳戒態勢が敷かれていて,とりわけ後者のダイヤモンド街と呼ばれる多くのユダヤ人が暮らす地区や,前者のヨーロッパの各機関,NATO本部,米国大使館,イスラエル大使館,モスクなどを中心に多数の警察官,兵士が警戒に当たっています.また,昨年の5月に4人が殺害されたイスラミストによる襲撃事件があったブリュッセルのユダヤ博物館にも自動小銃を構えた兵士達が配置されています.なお,空港や鉄道の駅などには兵士の姿は今のところ見えないようです.

また,テロ計画に関与したとして5人が取り調べを受け,そのうち3人が拘束されています.さらに関係先の家宅捜索では,武器,爆発物の材料,さらに警察官の制服や偽造された身分証明書等が発見されています.そして,計画に関与し,銃撃戦の後にベルギーを出国したとされる2人の容疑者も,すでにフランスのアルプス地方で身柄を拘束されまています.

ベルギー国籍所有者でシリアに戦闘員として赴いたものは,184名とされていることなどから判るように,ベルギーはジハジストのリクルート活動が盛んに行われている国のひとつです.先週の金曜日にも,18歳のベルギー人がシリアに向けて出国しようとしたところ,偽造旅券を所持していたため逮捕されています.

ベルギーの司法当局は,Eisden-Tuinwijkの書店に対しCharlie Hebdoを販売したら殺すと脅した男や,ブリュッセルにおいてパリで起きた一連の襲撃事件に言及し警官を脅した2人の兄弟を取り調べるなどして,絶対に妥協しない強い姿勢を示しています.

以上,L'OBSのBELGIQUE. Le cerveau de la cellule terroriste identifiéからでした.(関連記事:Le MondeL'EXPRESSL'OBS

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