Monday 19 January 2015

フランス社会(とヨーロッパの近代史)を理解するためにお薦めのパリの移民博物館

公式サイトはこちらです.(フランス語のみ)開館は,火曜日から金曜日までの10時から17時30分まで.場所は,Palais de la Porte Dorée. 293 avenue Daumesnil, 75012 Paris.入場料は6€です.

ところで,Charlie Hebdoの創刊者の1人,François Cavannaさんは2014年1月29日に亡くなりましたが,Cavannaさんのお父さんはイタリアからの移民でした.左官職人だったお父さんが使い,そしてCavannaさん自身も使った小手などの遺品は,この博物館内に昨年の12月15日に開設された寄贈品展示室への最初の寄贈品です.

以下,簡単に近代におけるフランスへの移民の歴史を振り返ります.

1919年,労働力としてポーランド人のリクルートが始まりました.(1931年の統計では,当時フランスに移住していたポーラン人は500,000人)

続いてやってきたのは,内戦を逃れれたスペイン人たちで,1939年2月のバルセロナ陥落に続く15日間に500,000人がフランスへ避難しました.

1950年代以降は,アントニオ・サラザールによる独裁と貧困から逃れる為にポルトガルからの移民が増加しました.1975年時点におけるポルトガルからの移民の数は750,000人.

北アフリカおよびサハラ以南からの移民は,植民地時代から始まり,第一次世界大戦中は兵士や労働者としてリクルートされたため大幅に増加しますが,1920年以降,アフリカからの移民としてはアルジェリア人(特にKabyle系)が中心でした.そして,60年代からはモロッコ,チュニジア,さらにサハラ以南出身者の移民も増加しました.(2011年の統計によると,アルジェリア人が466,000,モロッコ人が433,000,チュニジア人が150,000,サハラ以南出身者が515,000人.)

INSSEの2013年の統計によると,フランスにおける移民人口は880万,全人口の8.8 %です.

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