Monday, 12 January 2015

ドイツはギリシャに対し第二次世界大戦中の強制拠出金100億€を返還すべき?

賠償金ではありません.ドイツ語では"Zwangskredit".大戦当時,ギリシャがナチスドイツ(およびイタリア)から強制的に買わされた,言わば戦時国債のようなものです.なお,本来ドイツがギリシャに支払うべき賠償金はギリシャ政府の算定によると1千億€を上回る額になるそうですが,それについてドイツ政府は異なる見解を示しています.しかし,この強制拠出金の額については議論の余地はないというのがギリシャ政府の姿勢.とはいえ,破産寸前のこの国に,ドイツは2010年以来これまで凡そ650億€を融資をしてきたことも事実です.(ユーロ圏全体とIMFのギリシャに対する融資額は2千億€以上.)以前にも取り沙汰されたことのある問題ですが,これまではドイツとの摩擦をさけるために敢えて避けられてきました.しかし,ギリシャの議会選挙(1月25日)を前にして再びメディアによって取り上げられたというわけです.選挙の結果,躍進もあり得るという左派連合Syrizaの宣伝材料としての性格も帯びているようなので,今後の成り行きが気になります.

以上,SPIEGELのGeheimer Regierungsbericht: Deutschland soll Griechenland elf Milliarden Euro schuldenからでした.また,L'OBSはQuand les créanciers de l'Allemagne fermaient les yeux sur sa detteで,第二次世界大戦後,ドイツが賠償金を減免してもらった経緯を取り上げています.(Administrative Agreement concerning the Arbitral Tribunal and the Mixed Commission under the Agreement on German External Debts signed at London on the 27th February, 1953 (Bonn, 1/12/1964)のテキストは,英国政府のサイトのこちらのページからダウンロードが可能です.)

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