Saturday, 1 December 2012

脱経済成長型社会とは

Arte+7で11月24日に放送された"Yourope"において,ヨーロッパ各地における脱経済成長型のライフスタイルの実践を試みる人々の姿がリポートされていました.以下,番組から得た情報をまとめてみました.

まず,番組の紹介文から.

ドイツ,バーデン・ビュルテンベルグ州の新しい知事ビンフリード・クレッチマン氏は,いずれ,自動車の生産量が減少するだろうと語ったそうですが,それは,経済成長との決別を意味する言葉でした.私たちは,経済成長無しでも生きられし,また,環境や生活の質などにおいて,それによる好ましい影響もあるという考えがあります.こうした,"Post-growth economy"=《経済成長後の経済》と呼ばれる考えは(フランスでは," décroissance",イタリアでは,"decrescia",英国では,"degrowth*),ヨーロッパを始め,世界各地でその賛同者を増やしています.彼らは,無限の経済成長は,有限の資源とは相容れず,また,人間の尊厳もグローバリゼーションの犠牲になっており,経済の論理を地域主体に戻す,ディグロバリゼーション("deglobalization"=《脱グロバリゼーション》)が必要と主張しています.そうした考えを具体化する試みをレポートします.

次に,番組内容から,脱成長型の生き方を知るために役立ちそうなヒントをいくつか.

国際脱成長会議
第三回目が,今年の9月にイタリアのベニスで開催されました.公式サイトは,こちらです.

脱成長型のライフスタイルを提案したり,実践している団体や地方自治体
  • cambiamo.org:イタリアのパビアに本部を持つ.主な活動は,地元の農家の余剰生産物を,既存の流通システムを通さずに消費者へ提供.自転車による発電で電力を賄ってのコンサートの開催など.
  • Transition Town:英国の団体.日本にも,いくつか関連団体がある模様.
  • Totnes:英国.公立のリサイクルセンターの運営など,町が一丸となって脱成長を実践している.地元のKing Edward VI Collegeでは,環境教育が盛ん.
  • Bristol:英国.ブリストル・パウンドという地域通貨を発行.
  • Earth Heritage:英国.
  • Murks-nein-danke.de:ベルリン在住のStefan Schriddeさんが立ち上げたブログ.Schriddeさんは,修理して長い期間使い続ける事ができる製品を使うことを提唱.
  • Repair Café:オランダ.オランダに50箇所がオープン.ボランティアによる機器の修理が行われている.まもなく,英国に第1号店がオープン予定.
  • La Décroissance:フランス,リヨンで発行されている新聞.

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