Friday 27 January 2017

この冬,スマートなミカド機41の重連を楽しむ

3日に重連でツアー列車を牽引する41 1144-9と41 1150-6は両方とも旧東独国鉄所有のボイラーを交換したレコロクと呼ばれる石炭燃焼機で,煙突の前には三角おむすびのような混合予熱器が設置されています.(前者はアイゼナハ・ベラ鉄道協会所有,後者はバイエルン鉄道博物館所有.)下は,Wikipediaのフリー画像.2枚目は昨年の11月に運行された特別列車のシーフェエーベネ通過シーン.(後補機は01 1066.) この日,走ったのは旧西独連邦鉄道所有で,今やバイエルン州の技術遺産に指定されている41 018 (EDV番号では42 018-2*,つまり重油燃焼機)でした.ご参考迄に,以下,軸重が18トンと20トンに変えられる万能機それぞれの製造年を記しておきます.みんな78歳という高齢ですが,元気でがんばっています.でも,それは手塩にかけて維持してくれている技術者たちやファンたちのお陰でもあります.(動輪直径: 1600mm; 最高速度: 90km/h)
  •  41 1144-9:  1939年(シッハウ社製)
  •  41 1150-6:   同上(同上)
  •  41 018     : 同上(ヘンシェル社製)



そのほかのツアーはこちらから.

ところで,お隣のフランスのミカド機というと,141 P141 Rが思い出されますが,性能からすると41は前者に劣ります.141 Pの最高速度は100 km/h. また,出力を比べると,例えば60 km/hの場合,41の1750 PS(しかも重油燃焼機の数値)に比べて141 Pは,2900 PS.これは,後者が4シリンダ式であることによります.(41は,2シリンダ.) とはいえ,この4シリンダ式というのも良し悪しで,141 Pは,未だ電化やディーゼル化が進んでいなかった60年代末に,すでに現役を退いています.その理由は,2シリンダ機の141 Rに比べて運用コストが高額だったからでした.言うまでもなく,高出力機は,たくさんのエネルギーを消費します.そして,ドイツの蒸気機関車の中でも抜きん出て美しい形状を持つと言われる(細身のボイラーのサイズは,同様にエレガントな急行旅客用機03と同じ)41が最後に現役を退いたのは,1989年10月30日のこと,東独国鉄の41 1103-5でした.(EDV番号は,東独国鉄と西独連鉄とでは表記が異なり,西独連鉄機の場合,石炭燃焼機は041+3桁の製造番号+セルフチェックディジット,重油燃焼機は042+3桁の製造番号+セルフチェックディジットです.*) 最後に,個人的に最も美しいと思える41は,もちろん写真でしかお目にかかったことはありませんが,製造初期の屏風のような広いバグナー式除煙板が装着されたバージョンです.本当にほれぼれするスタイルです.

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