Wednesday 21 January 2015

Charlie Hebdoの最新号発売 - 実際にはそれほど盛り上がらなかったアラブ諸国の抗議運動

抗議運動がもっとも激しかったのは,フランスが軍事介入に参加しているアフリカでした.それでも.多くの国においてデモ参加者の数は数千か数百程度.アラブ世界に詳しいZiad Majed氏は,参加する人たちは自分たちの抗議する様子はメディアによって世界に配信されることを十分に知っており,自分たちの不満を広く世の中に伝える為にCharlie Hebdoを利用しているとみています.そして,大多数のムスリムたちは抗議デモには参加していないと指摘しています.

先週の金曜日,アルジェでは2千から3千の人たちが抗議デモに参加しましたが,アルジェリアでは,ここ数年来,経済や社会に対する不満を訴えるためのデモは頻繁に起きていますが,政治的なものは禁止されており,また,海外メディアによって報道されることもほとんどありません.アルジェリアに限らず,近隣諸国でも同様ですが,デモンストレーションの許可と禁止は政治日程に合わせて与えられます.つまり,それが政府の姿勢を示すものであれば許可,逆の場合は禁止という具合です.民衆による政治的デモは,政府によって近隣諸国や西洋諸国に対するメッセージとして利用されているわけです.

さらに規模が小さかったのが,ヨルダンやイエメン.また,イランでは人口800万のテヘラン(首都圏の人口は1千400万人)でのデモの参加者はおよそ2,000人程度,そして,人口1億9千万のパキスタンでさえ,デモの参加者は数千人程度でした.

そして,湾岸諸国に至っては抗議デモは一切行われませんでしたが,ダエシュ(Daech=イスラム国)との対立が深まるなかで,ジハジストのグループとは全く関係ない事を印象づけたいという思惑が働いていたようです.

他の国では,社会に存在する緊張を緩和する為に当局によりデモが許される場合があります.

ただ,1千7万人の国民の95%がイスラム教徒のニジェールでは事情は少し異なるようで,アフリカ大陸で経済水準と住民の識字率が最も低い都市のひとつである首都ニアメイの住民たちは,イスラムの厳格な実践を説くワービスムの説教者の強い影響下にあり,11日のパリでの行進に大統領が参加したことに対する批判も少なくありません.

その他,コーカサス地方のイスラム教を国教とするチェチェン共和国は,上記のいずれの国よりも大規模な抗議デモが行われました.しかし,住民22万人のグロズニーで月曜日に行われたデモの参加者の数として当局が発表した80万人から100万人というのはにわかには信じられない数字です.デモは,ヴラジミール・プーチンの力によって大統領の座に就き,イスラムの擁護者と自負するラムザン・カディロフの呼びかけに応じて実施されたものですが,同大統領が計画していた今月25日のモスクワでのデモはモスクワ市当局からの許可が下りなかった模様です.

以上,L'EXPRESSのNon, le monde musulman ne s'est pas embrasé contre Charlie Hebdoからでした.

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