„Der kleine Dienstag ist für mich eine unverlierbare Erinnerung. Allein an diesem einzigen sinnlosen Verlust kann ich ermessen, was, millionenfach multipliziert, Hitler auf dem Gewissen hat."
『小さな火曜日は、私にとって忘れ去ることのできない思い出だ。その意味の理解しがたい彼の死ひとつをもってしても、私はヒットラーには微塵の良心すら存在していなかったことを思い知るのである』
ケストナーと彼を敬愛し,自らが『エーミールと探偵たち』の最初の映画化作品に出演したハンス・アルブレヒト・レール(1922年5月29日,ベルリンにて誕生.1942年8月22日,あるいは28日にソビエト連邦サプラティノで死亡)との交わりを当時の世相を背景に描いたドラマ『ケストナーと小さな火曜日』の本編最後に表示されるケストナー自身の言葉です.ケストナーが,映画撮影のために滞在していたオーストリアのチロル地方でレール婦人から届いた息子の戦死を伝える手紙を読むシーンで画面の下にテロップで表示されますが,続いて,1931年に公開された『エーミールと探偵たち』の中で連絡係の'火曜日'役を演じるレール少年が登場するシーン,そして,「映画に出演した子役たちのうち,戦争を生き延びることができたのは2人のみだった.ハンスはコルポヴォの軍人墓地に,同様に戦死した27,761名と一緒に葬られている.」というテロップからエンドロールに変わります.最後まで素晴らしい演出の作品です.(原題 „Kästner und der kleine Dienstag",ドイツ,オーストリア合作,2016年公開)
1931年版『エーミールと探偵たち』に出演した際のアルブレヒト・ハンス・レール.(当時,9歳) 舌足らずで「合言葉,エーミール」と云うセリフが印象的. |
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