Saturday, 23 December 2017

本の紹介 - 『不死身の特攻兵』目的合理性に従って任務を遂行した陸軍航空兵たち

鴻上 尚史 (著)『不死身の特攻兵』(講談社現代新書) 新書 – 2017/11/15

過去に公開した下記のポストもご参考までにご紹介させていただきます.
日本では何故《死の目的化》が起きたのか,明確な理由は判りませんが,日本語では生まれ育った国のことを母国と言います.ドイツ語圏や英語圏では"Vaterland", "Fatherland"などと言います.しかし"Mutterland", "Motherland"とも言うようです.しかし,日本語では父国と言う言葉は聞いたことがありません.その辺りにヒントが隠されているのではないかと思っています.

もうひとつ,話は変わりますが,齢重ねて来年還暦を迎えようとする年にもなると,かつて子供の頃に聞いた歌を思い出すようになります.その中に『大東亜戦争海軍の歌』(1942年 朝日新聞選定)がありますが,歌詞の中に,すでに航空機を用いた体当たり攻撃が言及されていますが,すでにその頃,公式にこうした攻撃方が存在していたのか不明です.(海軍の最初の特別攻撃隊『敷島隊』が結成され,出撃したのは1944年10月25日でした.)

最後に,陸軍の特別攻撃隊員で戦死された慶応義塾大学経済学部出身の上原良司さんの『所感』という文章を紹介させていただきます.海軍の臼淵大尉が大和の最後の出撃となった天一号作戦遂行の最中にガンルームで起きた短期現役士官と兵学校卒士官との間の自分たちの死の意味を巡る議論を納めたときの言葉に重なるものがあります.(Cf. 吉田満『戦艦大和ノ最期』 (講談社文芸文庫))

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