Sunday, 17 January 2016

本の紹介: Gilles Kepel著 "Terreur dans l'Hexagone. Genèse du djihad français" - パリ襲撃以降,転換点を迎えたダエシュ

著者は,パリ政治学院教授で,専門はイスラム政治とイスラム過激主義.以前から過激派の思想を育て,インターネットなどの先端技術を用いてのテロ実行の具体的方法などを記したAl-Suriの著作を研究し,彼の呼びかけが持つ潜在的な危険性について警告していましたが,当初,各国の対イスラム過激派対策はもっぱらアルカイーダだけに集中し,普通の若者たちをも巻き込んで行く,いわば草の根の過激主義に対しての警戒を怠ってきたと言います.また,Kepel氏は,パリ襲撃事件を実行したことで,ダエシュは政略的な誤りを犯したと述べています.つまり,以前のCharlie Hebdoなどの襲撃においては,テロ行為は容認しないまでも,標的となった側にも責任がないわけではないとの意見を持つムスリムたちも少なくありませんでした.しかし,パリの同時テロを機に大半のムスリムたちは,ダエシュの行為は自分たちが理解するイスラムの教えから発したものではないと彼らの行為を強く批判するようになったのです.出版社のページはこちらです. 下は要約(ドイツ語)へのリンクです.

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